空洞調査
近年、地盤中の空洞による陥没事故が多くなってきております。港湾、河川など海や川に面している路面下の空洞、埋設管の破損に伴う空洞や、東日本大震災による液状化問題など空洞原因は多岐にわたります。
このような空洞を迅速・確実に検出できるのが地中レーダー探査です。
これに加えて表面内探査を併用することでより空洞・ゆるみの検出を可能にします。
調査後、空洞が検出された位置などで確認調査(ドリル削孔、コア抜き、ボアホールカメラ)を行うことで空洞ボリュームを計算し、対策工事などの基礎資料を得ることができます。
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埋設物調査 / 埋設管調査
埋設物・埋設管調査では地中の産業廃棄物(コンクリートガラなど)・構造物の基礎・埋設管など目に見えないさまざまな地中埋設物を非破壊で迅速に調査します。
これにより新規埋設ルートの選定・支障物の撤去・土地売買に関わる問題解決などを円滑に進めることができます。
主な調査方法として地中レーダー探査、高密度表面波探査、磁気探査などが挙げられます。
空洞調査・埋設物・埋設管調査における主な調査手法
地中レーダー探査
「地中レーダー探査」とは電磁波をアンテナから地下に放射し、その反射波を計測することで地下の空洞調査、埋設物・埋設管調査を迅速に行える探査方法です。
レーダアンテナは周波数350MHz~1500MHzの数種類があり、目的(空洞・埋設物・埋設管・遺跡など)によって使用するアンテナを変更し、最良のデータ取得を目指します。
地中レーダー探査について短チャープ式レーダー探査
従来のパルスレーダー探査(探査深度3m)よりも深部の情報を把握することを目的として開発された新型のレーダー探査器です。
探査深度を従来よりも1.0~1.5倍程度(地質・地盤状況により変動)目標に開発された機械です。
用途として空洞調査、埋設管調査、埋設物調査など高精度を求められる地下探査が中心となります。
短チャープ式レーダー探査について表面波探査
「表面波探査」とは、地盤のS波速度分布を2次元断面として表現する調査方法で、その目的は支持層・基盤層の深度確認、地盤改良効果判定、液状化予測、空洞、埋設物、堤防の健全度調査など、多岐にわたります。
地表面の測線上に等間隔に受信器を設置し、地表面をカケヤなどで鉛直方向に打撃することで振動を与え、その振動をマルチチャンネルで受信することにより表面波を抽出します。
ランド・ストリーマー・ケーブルを利用することで広範囲の調査を迅速に実施できます。
熱赤外線調査
「熱赤外線調査」では、吹付法面を熱赤外線カメラで撮影することにより、空洞の有無を把握することが出来ます。
近年、吹付法面の老朽化に伴う崩壊及び剥落による災害が増加しており、2011年の東日本大震災の発生と相まって、診断ニーズはさらに高まっています。
熱赤外線調査についてドリル削孔
「ドリル削孔」は、地中レーダー探査等で空洞・ゆるみの反応のある位置において行い、実際に空洞の有無を確認するとともにレーダー探査の深度補正の基礎データを取得することを目的としています。
ドリル削孔について簡易貫入試験
「簡易貫入試験」は、表層内の絞り具合・ゆるみ・硬さなどの変化を連続的に測定、基盤面の分布・地盤内の強度の不連続面・地盤の構成・空洞の有無などの調査に用います。
土塊の位置・規模・空洞位置等の推定に使用します。
簡易貫入試験について空洞測量
空洞内部に360°レーザー・スキャナを挿入し水平方向に最大40mの空洞測量を可能にします。
空洞範囲はPCモニターにてリアルタイムで確認でき、深度毎(0.1m)に測量することで空洞ボリューム(m3)を算出することが出来ます。
TOF(Time of Flight) 測距技術を採用し、対象物からの反射に左右されず、正確な距離測定が可能です。
空洞測量について空洞観察
空洞内部にカメラを挿入し全周方向に動画撮影(又は静止画像撮影)を実施します。
これにより空洞の大きさをPCモニターにてリアルタイムに確認することができます。
空洞観察について