交通トンネル調査
近年のトンネル施工法は「NATM工法」が主流ですが、従来は「在来工法(矢板工法)」が用いられてきました。この工法では掘削後に覆工コンクリートを打設する際、上半部(特に天端部)については矢板の存在などによりコンクリート注入が行いにくいことから、実際に空洞が存在するケースが多く見られます。そのため近年その危険性が指摘されています。
こうした空洞の存在の調査は「地中レーダー探査」で実施、非破壊で実施できるため、迅速かつ正確に空洞を把握することができます。
導水路トンネル調査
最近では、導水路トンネルの調査も注目されており、交通トンネル同様、目視・打音調査を併用することで健全度調査を行えます。
レーダー探査終了後、空洞と判断される位置において削孔(コア抜き又はハンマードリル)での空洞確認調査を行い、空洞ボリューム計算のキャリブレーション(校正値)に用います。
トンネル調査/導水路調査における主な調査手法
地中レーダー探査
「地中レーダー探査」とは電磁波をアンテナから地下に放射し、その反射波を計測することで地下の空洞調査、埋設物・埋設管調査を迅速に行える探査方法です。
レーダアンテナは周波数350MHz~1500MHzの数種類があり、目的(空洞・埋設物・埋設管・遺跡など)によって使用するアンテナを変更し、最良のデータ取得を目指します。
地中レーダー探査について目視調査
コンクリート構造物のひび割れ、変色、湧水、剥落・剥離等をスケッチし、変状状況を把握します。
打音調査やレーダ探査による覆工厚調査・空洞調査を併用することにより構造物の健全度評価を行います。
目視について打音調査
「打音調査」はテストハンマーでの打撃を行い、その反発音からコンクリート表面状況および劣化の深さ、コンクリート背面状況を判定します。
近年、コンクリート構造物の剥離・剥落・ジャンカの劣化状況が問題となっており、調査ニーズが高まっています。
ドリル削孔
「ドリル削孔」は、地中レーダー探査等で空洞・ゆるみの反応のある位置において行い、実際に空洞の有無を確認するとともにレーダー探査の深度補正の基礎データを取得することを目的としています。
ドリル削孔についてコア抜き
「コア抜き」とは、主にコンクリート護岸、法面、トンネル等でコアを採取し、コアの圧縮強度、弾性係数、中性化試験を行うとともに、コンクリート背面空洞の確認の際に有効です。
コア抜きについてファイバー・スコープ
「ファイバー・スコープ」とは、コンクリート構造物の削孔完了後、コンクリート背面の空洞撮影を行うためのものです。
撮影はファイバー・スコープ、またはボアホールカメラを用いて行い、各孔の空洞状況を静止画で撮影します。
CCDカメラ(バリュースコープ)
CCDカメラ(バリュースコープ)」とは、コンクリート構造物の削孔完了後、コンクリート背面の空洞撮影を行うためのものです。
撮影はファイバースコープ、CCDカメラ、ボアホールカメラを用いて行い、各孔の空洞状況を静止画又は動画で撮影します。
CCDカメラ(バリュースコープ)について