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常時微動測定

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常時微動とされる振動は、地震時におけるその地盤の揺れ方とある程度の共通点を持っており、常時微動測定の結果から地震時の地盤の揺れ方を推定することができます。

地表計と地中計(ボーリング孔内)で同時に微動観測を行うことにより耐震・免震等の設計において重要な資料を作成することが出来ます。
捉える周期範囲に合わせて、複数種類の微動計(換振器)が存在し、上下1成分と水平直交2成分を持ちます。

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孔中受振器挿入
地表受振器(1秒計、5秒計)

1秒計(5秒計)、20秒計の外観
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1秒計および5秒計
20秒計


孔中用微動計は防水構造であり、任意の深度でアームにより孔壁に圧着させることができます。

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収録器にはノートパソコンを用い、収録中の波形を画面で確認しながら調査が行えます。

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室内解析:収録波形→感度換算・トレンド補正
→解析区間のサンプリング
→スペクトル分析
→地表/孔中のスペクトル比
→水平/上下のスペクトル比(H/Vスペクトル)
→各スペクトル図、各スペクトル比図の卓越周期の読取。
→表層地盤の卓越周期、地盤種別等の決定。

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地盤周期と地盤種別との対応表(『2007年版建築物の構造関係技術基準解説書』)
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常時微動が工学的に注目される理由

不規則に振動しているように見える常時微動ではあるが、観測地点の地下構造によって異なる卓越周期を示すことが判かり、常時微動がその地域における地盤固有の振動特性を反映していると考えられています。

観測上の問題点

 微動の特性を生かすためには表層地盤と基盤とのコントラストが良いことや、解析過程において水平多層構造を前提としていることから、急傾斜地盤や断層構造等を有する複雑な構造地盤、岩盤地域での適用は難しいです。

 微動は極めて小さな地盤振動を観測するため、調査地点近傍に存在する列車や車などの交通振動、工場・工事等による突発的な人工振動は、観測記録のノイズとなるので注意を必要とします。また、風雨の激しい状態では正常な観測記録が得られないので、観測時間や観測日の変更等の対応を必要とします。

微動の種類

  1. 常時微動:

     遠方の交通機関や工場機械等の人工的振動源から伝播した波動の集合体で、その卓越周期も0.1~1.0秒程度で、比較的安定して現れている波であり、短周期微動とも呼ばれています。
  2. やや長周期~長周期微動:
     1.0秒以上の周期を持つ波を指し、脈動とも呼ばれており、1.0~5.0秒の範囲は「やや長周期微動」とも呼ばれています。
     この長周期微動は、交通機関等による人工的な振動源に起因されるものは少なく、主に海洋の潮汐・波浪や気圧等の変化によって生成されたものと考えられ、天候等によって変化が生じるともいわれています。
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